ドラゴンクエストシリーズの第4作であり、FCで発売された最後のドラゴンクエストシリーズ作品である。前3作までで、シリーズ開発当初から構想されていた「初心者でも遊べるように敷居を下げたコンピュータRPG」という目的は達成し、本作からはドラゴンクエスト独自のシステムの導入が進んでいくこととなる。本作では、5つの章に分かれたシナリオや、AIによる戦闘システム、馬車システムによる5人以上の仲間キャラクターと同時に冒険できるシステムが導入されている。
本作で使用されている4メガビットというROM容量は当時としては膨大な量で、「それまでのエニックスのFCソフト(ドラゴンクエスト前3作と『ポートピア連続殺人事件』『ドアドア』)を全部足してもまだ余る」とのアピールが発売前の雑誌広告などでなされていた。これまで1年に1本ずつ出ていたが、本作の登場までには第3作から2年のブランクがあった。
世界観は『ドラゴンクエスト』第1作から『ドラゴンクエストIII』までの3作品(「勇者ロトの伝説シリーズ」「ロト三部作」などと呼ばれ、括られている)から一新し、本作は前3作とは別の世界の物語となった。一方で、続けて登場したシリーズ作である『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』と世界観での共通点が多く[1]、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』にも本作との世界観の共通を匂わせる描写があるため、『IV』『V』『VI』の3作品は「天空シリーズ」「天空三部作」と呼ばれている。
本作では5つの章に分かれたストーリーを順に追うため、プレイヤーの自由度はロト三部作よりも低いが、各々の仲間キャラクターのストーリーとの関わりはロト三部作よりも深くなっている。また、魔王側の心理や行動を深く描写するなど、物語の構造にも前作との変化が見られる。主要プレイヤーキャラクターは勇者(プレイヤーの分身)を含めた「導かれし者」と呼ばれる8人。第一章から第四章までは勇者の仲間それぞれの旅立ちに関するシナリオ、そして第五章は主人公である勇者が他の7人の「導かれし者」を次々と仲間に加えて、人間を滅ぼそうとするラストボスを倒すために冒険をする。
FC版の発売後には、ゲームブック化や小説化、ドラマCD(CDシアター)化も行われている(小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエストを参照)。また、本作のキャラクター「トルネコ」を主人公としたスピンオフ作品として『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が発売され、後にシリーズ化されている。このほかに本作の世界設定を舞台とした漫画作品も登場した
シナリオは全5章のオムニバス形式で、各章はストーリーとしては独立しているが、ゲームは章番号どおりの順序で進行する。章ごとにプレイヤーが操作するキャラクターが変わり、レベルも1からのスタートとなる。ゲームを最初から始める際には、プレイヤーの分身である「勇者」の名前と性別を決定するが、「勇者」が登場するのは第五章で、第五章では第一章から第四章までの主役たちが、勇者とともに戦う仲間として登場する。第四章までの各章終了時のキャラクターのステータスやアイテムは第五章に継承されるが、所持金や一部の重要アイテムは第五章に継承されない。章ごとに異なるフィールドBGMがそれぞれ用意されており、第五章で導かれし者たち8人集結後は、先頭に立つキャラクターに合わせて変更される。
第一章ではパーティーキャラは一人、第二章からはパーティープレイとなるなど、本作からRPGを始めた人でも段階を踏んで馴染みやすい構成になっている。
第一章 王宮の戦士たち
王宮戦士のひとりであるライアンが、王の命令により、最近次々と起こる子供の失踪事件を解決するために城を旅立つ。
第二章 おてんば姫の冒険
サントハイム王国の姫アリーナが力試しの旅に出るべく、父であるサントハイム王に見つからぬよう城を抜け出し、後を追ってきた城の神官クリフトと教育係の老人ブライとともに3人で旅をする。
第三章 武器屋トルネコ
妻・息子と暮らし、武器屋の店員のアルバイトをしている商人トルネコが、世界一の商人になることを目指し、故郷を離れて金儲けの旅に出る。
第四章 モンバーバラの姉妹
姉の踊り子マーニャと妹の占い師ミネアの姉妹が、殺害された父の錬金術師エドガンの敵討ちの旅をする。
第五章 導かれし者たち
住んでいた村を魔物の軍団に壊滅させられ、ただ一人生き残った主人公(勇者)が、7人の仲間を探し、地獄の帝王を打ち倒すために旅に出る。
第一章から第四章までは導かれし者たちが母国から旅立つまでの話であるため、行動範囲は一部の地域に限られる。「ルーラ」「キメラのつばさ」の行先のメニューや、出現するモンスターも各章で異なる。世界全体を探索できるのは第五章になってからである。
移動画面
これまでは『ドラゴンクエスト』から『ドラゴンクエストIII』と進むにつれマップ(フィールド・城・町・村・ダンジョンなど)が拡大されてきたが、これ以上は単にマップを拡大しても、プレイヤーに負荷がかかり遊びやすさが低下するため、マップとシナリオの連動に新しい方法が導入された。それは第一章から第四章まで登場したマップの約半分を、第五章でも使うというもので、第五章で再登場するモンスターの強さやシナリオは異なっている。こうすることで(ほとんど)同じマップに、異なる複数のシナリオの情報を組み込めるため、データをコンパクトにまとめることができる。この手法はその後のシリーズにおいても、時間軸や別世界などさまざまな要素を変えて使われ続けている。
移動画面でのコマンドは、前作の6つに加えて、鍵無しの扉も含めた扉を開く「とびら」コマンドが再登場、後述のAI戦闘の作戦や隊列の変更などを行う「さくせん」コマンドが新登場し、計8つとなっている。
セーブ(または復活の呪文の記録)および次のレベルまで必要な経験値の情報の取得は、前作までは王様や老人などに会うことによって行っていたが、本作からは教会でそれらを行うシステムとなった。
フィールドの世界地図を見ることができるシステムが初めて登場した。本作では「たからのちず」というアイテムを使用することによって地図を閲覧する。これは本来はあるアイテムの所在地を示すためのものだが、現在パーティーが世界のどこにいるかを示す機能を兼ね備えている。
前作と同様、フィールドマップを歩き続けることにより、昼と夜が切り替わるシステムが採用されている。
乗り物
船 - 乗り込むことによって水上を移動する。本作以降では、船に乗らないと入ることのできない町や洞窟などが登場する。
気球 - 乗り込むことによって世界上空を飛行する。歩くことのできる地形であれば、沼地以外のどこでも離着陸が可能。ただし、ゴットサイドの島のマップでは離着陸地点が定められている。
上記の乗り物は2つとも、移動の呪文「ルーラ」で主人公たちと一緒に移動させることができ、また馬車(後述)ごと乗り込むことができる。
馬車
「馬車」を手に入れることにより、パーティーを最大10人にまで増やすことが可能となる[注 1]。その中の1人から4人までを馬車の外に出すことができ、残りのメンバーは馬車の中で待機することとなる。戦闘には馬車の外にいるメンバーのみが関わり、馬車の中にいるキャラクターは敵からダメージや悪影響を受けることが無い。
馬車があるときは、移動中・戦闘中に関わらずメンバーの入れ替えをすることができる。フィールド上や入口の広い洞窟の中では自由に入れ替えが可能であるが、それ以外のダンジョンや町・城・ほこら・ダンジョンには馬車が入れないため、入れ替えはできない。ただし町・城・ほこらや一部ダンジョンでは、馬車の中にいるメンバーのアイテムや呪文を使うことは可能であり、経験値を得ることもできる。
馬車が切り離された状態で施設内の旅の扉を使用したり、ダンジョン奥の別の出口から出るなどして離れた場所へ移動した場合は、馬車は入口で待機し続けることになる。この場合は、呪文「ルーラ」やアイテム「キメラのつばさ」で瞬間移動するか、または終盤で入手できるあるアイテムを使うことで馬車を呼び寄せることができる。
これまで5人以上のパーティーが避けられてきた理由の一つに、FCのスプライト最大同時表示数の問題[注 2]があったが、馬車の外のメンバーを最大4人にすることによってチラツキを極力防ぎ、合計で最大10人におよぶ多人数パーティーを実現させた。
戦闘
第一章から第四章までは、従来どおり手動でのコマンド入力でキャラクターの行動を指示するマニュアル戦闘である。第五章では、ドラゴンクエストシリーズ初となるAI戦闘(後述)が採用されている。
また第五章では、戦闘中にも馬車の中のメンバーとの入れ替えを行うことができる。ただし本作の戦闘中における馬車入れ替えシステムは、入れ替えと総替えが瞬時にできる『ドラゴンクエストV』以降とは異なり、メンバーの入れ替えがコマンド入力後、ターンの途中で行われるというシステムになっている。
合体スライムやメラゴーストなどの一部のモンスターに限ってアニメーションで動きを見せるようになり、また「モシャス」の呪文で味方パーティーのキャラクターの能力をコピーするモンスターが登場するなど、敵の行動のバリエーションも増加した。
AI戦闘
AI戦闘では、主人公を除く味方キャラクターたちは、指定された作戦に従い、ゲームプログラムに搭載されたAI(人工知能)によって自動的にコマンドを入力する。作戦は移動中・戦闘中問わず「さくせん」コマンドによって変更できる。主人公は従来どおり手動によるコマンド入力で、ターンの最初にまず全体のコマンド(たたかう・さくせん・いれかえ・にげる)が表示され、全体コマンドの入力後に主人公のコマンド(こうげき・じゅもん・どうぐ・ぼうぎょ)を指示するシステムとなった。用意されている作戦は以下の6種である。
みんながんばれ : その状況に応じて攻撃、補助、回復のバランスの取れた、平均的な戦い方をする。
ガンガンいこうぜ : 残りMPを気にせず、各自の持てる最大威力の攻撃手段で総攻撃をかける。敵へのダメージは大きいが、MPが消耗しやすいほか、回復を後回しにしすぎて間に合わなくなることがある。
いのち(を)だいじに : 仲間が倒れないことを最優先にする。HPの回復を徹底して行う。最上級の攻撃呪文を連発し、被害が大きくならないよう手早く戦闘を終える手段をとることもある。
じゅもん(を)せつやく : 呪文の使用を控えめにする。必要最小限の回復呪文や補助呪文しか使わない。
百番 セアニア シベリ チョップ キャッチ キラー マンダラ 宙船日本 マスカット ドリネ チェンバロ グラス ベッド スワット てる坊主 つりばな ナット ソース ギャザー チャチャ フォー ソフト 楽隊 パラチフス トゥル キング チープ ルリマツリ ブルゴー デポプロ トロピカル キト日本 コンアレー 台風対策 アイライナ ヒズボラ ルーフ タイム マシュマロ レギュラ ウラン ヨーヨー ファ ナステ ダンス たるみず グロッサム スイム はまます よどえ
じゅもん(を)つかうな : 呪文を一切使わずに戦う。
いろいろやろうぜ : いろいろなアイテムを使うなどする。
AIには、戦闘経験を積んでいくごとにモンスターの弱点や特性を記憶していく学習機能が搭載されている。学習内容は冒険の書によって分けられており、全滅したときにリセットボタンを押してしまうとAIが学習した内容がセーブされず、同じ敵にまた同じ行動を繰り返すようになってしまう。このため、特に初めて出会ったモンスターが相手の場合はプレイヤーの思いどおりに動かないことが多く、基本的に一度しか戦闘しないボスモンスターに有効ではない一撃必殺の呪文を連発するなど問題も多かった。
後の作品でもAI戦闘は採用されているが、直接仲間に指示を出す作戦「めいれいさせろ」の追加や、学習機能を廃し、AIに最初からモンスターの特性や弱点などを記憶させるなどの改良が加えられている。
NPC
本作では「導かれし者」と呼ばれるメインキャラクター以外に、作戦に関係なく自分の判断で動くNPC(ノンプレイヤーキャラクター)[注 3]も登場する。シナリオを進めて所定のイベントをこなした時点で自動的にパーティーに加入、離脱するようになっているが、仲間にしなくてもシナリオ進行に支障の出ないNPCも存在する。
戦闘に参加するNPCは「導かれし者」同様HPやMPなどを持つが、戦闘中に作戦・指示を与えることはできず、独自の判断で自動的に行動する。ステータスは固定値となっており成長はせず(レベルは「?」と表示される)、アイテムを持たせたり装備を変更したりすることもできない。また、NPCだけが生き残っても、「導かれし者」が全員戦闘不能(死亡または麻痺)になると全滅扱いとなる。
サブゲーム・コレクション
カジノ
本作ではカジノが初めて登場した。カジノでは、ゴールド(所持金)をカジノのみで使えるコインに換金し、カジノの中にあるミニゲームに挑戦してコインを増やし、景品に交換するシステムである。獲得したコインはカジノを出た後も保存され、第二章・第三章で得たコインは後の章にそのまま継承されるが、コインを直接現金に戻すことはできない。
本作ではスロットマシン、ポーカー、それに前作で登場した「モンスター格闘場」を加えた3ゲームが登場する。コインの販売額は章によって異なっている。
ちいさなメダル
世界各地の宝箱や壷、引き出し[注 4]、地面を調べることにより「ちいさなメダル」というアイテムを入手することができる。これを集めて、「メダル王の城」にいるメダル王に一定の枚数のメダルを渡すと、それと引き換えに貴重なアイテムを入手することができる。
没要素
リメイク版(PS・DS)で新たに登場するようになる海のモンスター9種は、FC版では没となったため通常は出現しないが、ROM内にデータとして存在している(リメイク版での「マリンワーム」はFC版では「マリンリバイアサン」)。9種のうち4種は、出現場所・タイミングが極めて限られており確率は非常に低いものの、ある場所で出会うことが可能である。