古代に用いられたオナガー、あるいは中世に登場したマンゴネルやトレビュシェットといった投石機は、火薬こそ使用しないものの曲射弾道兵器という点で共通しており、臼砲や迫撃砲の系譜に連なっている。また、バリスタやスコーピオ等の弩弓の中には大きな仰角をとって曲射できるものもあり、防壁などの遮蔽物越しに攻撃できた。
火薬の燃焼エネルギーを利用した砲身内の圧力(装薬の化学変化によって生じるガスの膨張圧)で砲弾を加速する、いわゆる「火砲」は12世紀初頭のイスラム世界でようやく誕生するが、初期のマスケット(銃)が長いあいだ長弓に及ばなかったのと同様、火砲の進化にも長い年月を要し、トレビュシェットは火砲の登場後も300年近く使用され続けた。
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なお、遥か後代の第一次大戦中、フランス軍はオナガーやマンゴネルを簡易縮小化した「スプリングガン」を前線に多数配備した。ゴムやバネの力で擲弾を発射する仕組みで投石機の近代再設計版と言えたが、射出できる擲弾が小さく威力不足な上に射程も短く、射距離の調節や照準が難しいことから早期に使用されなくなった。
草創期の火砲の種類は幾つかあるが、その中から発展を遂げて主流をなしたものの一つが射石砲である。英仏百年戦争(1339-1453)の頃には火砲が普遍的に使用されるようになり、トレビュシェットはほぼ完全に駆逐された。火砲が、操用性や生産性そして何よりも威力の点で従来の投石機を凌駕するに至ったためである。(射「石」砲と和訳されるが鉄弾も発射する)。